東日本大震災の発生から3週間が過ぎた。未曽有の大災害に多くの人が心を痛め、何かできることはないかと自分自身に問い、義援金の寄付をしたり節電を心がけたり買占めの自粛をしたりと、さまざまな実践を始めたが、スポーツ界も例外ではない。

 資金力のある競技団体や高額の報酬を得ている選手は義援金を拠出した。そうでない競技団体や選手も義援金の窓口になってファンに寄付を呼び掛けたり、日頃使用している防寒着やジャージ、シューズを被災地に送ったり、チャリティオークションに出品して義援金の原資にしたり、また、被災者を元気づけるメッセージを送ったりと、復興への気持ちを見せている。

 その一端をあげておこう。

プロ野球、Jリーグ…それぞれの支援続く
日本船舶振興会は漁業の再建にも配慮

 まず義援金の拠出。プロ野球を統括する日本野球機構は1億円、プロ野球選手会は1億2000万円、Jリーグは5000万円、日本プロサッカー選手会は選手が使用した物、スパイクやユニフォーム、サイン入りのボールなどをネットオークションにかけ、その収益金を寄付する形をとっている。ホームページを見ると出品者と品物、そのオークション金額が出ていて、かなりの値段がついている。トータルすると相当の金額になるはずだ。日本相撲協会は5000万円。また、多くの球団や競技団体がそれ相応に寄付をしている。

 だが、最も太っ腹なのは競艇の収益金をもとに公益・福祉事業を行っている財団法人日本船舶振興会(日本財団)だろう。今回の大震災での死者・行方不明者1人あたりに各5万円の弔慰金・見舞金を贈るとしている(受け取るのは遺族および親族)。その数はまだ確かではないが、それだけでも10億円を大きく超える。

 また、船舶振興会だけあって漁船を失った漁業者に無利息の緊急融資制度を設けた。限度額は1事業者あたり1億円以内で、当初の3年間は返済据え置きとのこと。この総融資枠は100億円だ。