前回は確定申告の「楽しみ方」、すなわち取られ過ぎた税金を1円でも多く取り戻すこと、少しでも少なく税金を納めることをお伝えした。しかし、まだ確定申告に抵抗感がある人が多いだろう。しかし、そんな抵抗感も仕組みを知れば、あっという間に解消されるはず。そこで、大人気の確定申告マニュアル『いちばんわかりやすい確定申告の書き方』、青色申告デビューの定番本である『フリーランス・個人事業の青色申告スタートブック』の執筆陣が、たったの3分で理解できる、確定申告の種類と仕組みについて解説する。

確定申告には、簡単な「白色」と
手間だけどトクする「青色」がある!

 一言で確定申告といっても、申告の方法には「白色申告」と「青色申告」の大きく2つがあります(「白」や「青」はかつて使用していた用紙の色が由来です)。自分の得ている所得の種類によって、いずれかを選択できる人とできない人がいます。また、白色か青色かで、帳簿のつけ方や必要となる書類等が異なります。

 まず、誰もが選択できるのが、白色申告です。税務署への事前の届け出も必要ありません。帳簿もお小遣い帳レベルの簡単なものを作成すれば済みます。このように白色申告には原則的な申告方法で、簡単なぶん、税金面で有利になるような特典はありません。

 一方、青色申告は事業所得(ほとんどの個人事業主の所得)、不動産所得(土地、建物などの貸付け)、山林所得(山林の譲渡による所得)のある人だけが選べる申告方法で、税務署に事前の届け出が必要になります。複式簿記という正規のルールにのっとった帳簿の作成が必要な代わりに、「所得から特別に最高65万円控除できる(差し引ける)」「赤字を3年にわたり繰り越し、黒字の年に差し引ける」など、税金が安くなる特典があります。

現時点で未届けの人は「白色」
「青色」にするなら届け出期限に注意!

 ただし、前述のように青色申告を選択するには、税務署への事前の届け出が必要です。その期限は、1月1日~15日までに個人事業を開始した人はその年の3月15日まで。1月16日以後に開業した人は開業日から2ヵ月以内。また、白色申告から青色申告に変更したい人は、青色申告したい年度(1月1日~12月31日)の3月15日までです。

 そのため、現時点で青色申告の届け出をしていない人は白色申告を選択することになります。もし来年度から青色申告にしたい場合は上記のように、今年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を提出してください。