パナソニックの創業者で、経営の神様と言われたあの松下幸之助氏が、じつは日々、自問自答を繰り返していたことを、みなさんはご存じでしょうか。人気のプロコーチ堀江信宏氏の初の著者『人生の悩みが消える自問力』では、自分に「5つの質問」を投げかけ、自問自答することの大切さを説いています。そこで、今回は松下幸之助氏の補佐役として23年間仕えた江口克彦氏と堀江信宏氏に対談をしていただきました。松下幸之助氏が自問自答するようになったきっかけは、多感な少年期の辛い体験にありました……。

パナソニックの創業者、松下幸之助も<br />日々、自問自答を繰り返していた

ガンになったことがきっかけで、自問自答を繰り返した

江口 「堀江さんの初の著者『自問力』という本ですが、売れてるそうですね」

堀江 「おかげさまでありがとうございます」

江口 「でも、どうして自問力というテーマだったんですか」

堀江 「直接のきっかけは、私がガンになったことです。悪性リンパ腫という血液のガンになりまして、それを治す中で、それまで学んでいたコーチングを自分に応用して自問自答してみたら、良い結果につながったといいますか。そのストーリーに出版社の方が興味を持っていただいたことがきっかけです」

江口 「コーチングをやっていたのですね。その前はどちらに」

堀江 「もともとは伊藤忠商事に10年間勤めていました。ガンが発覚したのが2015年の秋です」

江口 「最初に聞いた時は、ショックだったでしょ?」

堀江 「そうですね。ところが、あまりにも青天のへきれきだったので、逆に全然、実感が湧いてこなかなかったっていうのもありました」

江口 「自問力というのは、自分で問う力っていうことですよね。自問自答ってよく言いますけど、ガンでベッドの中にいる間、いろいろと自問自答されたわけですか?」

堀江 「それは、もう四六時中しましたね。放っておくと絶望とか諦めというネガティブなほうに、どんどん考えがいってしまいがちだと思います。でも、そこは、松下幸之助さんはじめ優れた方たちが書物に書かれた考え方や言葉などを参考にしつつ、自問自答に応用させていただいたという感じです」