スウェーデンに本社を持つボルボ・カーズは、2016年度決算で前年度比66%増の営業利益を上げるなど、快調に業績を伸ばしている。日本でもボルボに対する顧客満足度は急速に高まっている。その要因はどこにあるのか。ボルボ・カー・ジャパンの木村隆之社長に聞いた。

巨額の開発投資は
プレミアム車への決意

木村 隆之
ボルボ・カー・ジャパン
代表取締役社長

きむら・たかゆき/1987年大阪大学工学部卒業、トヨタ自動車に入社し海外部門で商品企画を担当後、欧州へ赴任。その後日本におけるレクサスブランド立ち上げに参画。2008年、日産自動車に入社しインドネシア、タイなどアジア地域会社の社長を歴任。14年7月ボルボ・カー・ジャパンに入社し代表取締役社長に就任。

──昨年登場した新型SUV(多目的スポーツ車)「XC90」は、従来のボルボのイメージを大きく変えるほどのインパクトを持つ車でした。そして今年2月に発表したフラッグシップセダンの「S90」、プレミアム・エステートの「V90」、プレミアム・クロスオーバーの「V90クロスカントリー」を加えた、新型90シリーズの魅力について、お話いただけますか。

木村 新型90シリーズは、ボルボとして、ドイツ車や日本車がひしめくプレミアムカー市場で十分に存在感を放つ「新しい選択肢」であると自負しています。

 そのために新型車では何をしたかというと、これまで以上にボルボらしさ、スウェーデンらしさにこだわりました。

 スクエアなフォルムのフロントグリルなど、ボルボを象徴する伝統的なデザイン要素と近代的な北欧デザインの粋を融合したエクステリアをひと目見れば、それをよく理解いただけると思います。

 また、インテリアにも独自の哲学があります。長い冬を快適に過ごすために、スウェーデンでは室内の居心地の良さにこだわりますが、新型90シリーズも工芸品のような手作りの質感と温かみを持つキャビン、手袋をしていてもナビゲーションやオーディオ、エアコンなどを操作できる9インチのセンターディスプレイなど、伝統と先端技術の融合が生み出した快適性を実感いただけるはずです。