「公益社」など首都圏・関西圏を中心に展開する葬儀会社を傘下に、上場企業として業界をリードする燦ホールディングス。葬儀を取り巻く現状と今後について、同社および株式会社公益社の代表取締役社長である古内耕太郎氏が語った。

総合葬祭サービスの持株会社

燦ホールディングス株式会社
株式会社公益社
代表取締役社長
古内耕太郎 氏

  全国には5000から6000の葬儀会社があるとも言われているが、実態は明確ではない。

  その多くは家業として葬儀を営む事業者だと考えられている。こうした業界の中で、東証・大証の一部に上場する、業界のトップランナーが燦ホールディングスだ。

  同グループ会社は、会館ネットワークをベースに各地で葬祭サービスを提供する株式会社公益社などの「葬祭会社」と、葬祭サービスに必要な機能を提供する「葬祭関連会社」からなる。

 「近年、葬儀に対する関心が高まり、『家族葬』や『直葬』といった葬儀スタイルや価格などに大きな関心が向けられています。しかしながら、当社グループでは、ホスピタリティの精神に基づき、葬儀の意義と役割を大切にする葬儀の提案を行っています。それは、尊厳あるかたちで故人とお別れをすること、そしてご遺族、故人の友人・知人の悲しみをケアすることです」(古内氏)

エンバーミングやグリーフケアにも注力

  その地方ならではの風習や宗教など、葬儀は単一のサービスとしては提供できない面を持つ。

 「最近は地域との関わりが希薄になり、ご近所や周辺地域を中心とした葬儀が減少してきました。また、喪主やその家族として葬儀を経験する機会は多くはありません。当社は、そのような不安と悲しみに直面したご遺族への心のケア(グリーフケア)を重視して、優秀な人材の育成に特に力を入れています」(古内氏)

  その試みのひとつがエンバーミング(遺体衛生保全)だ。
 
 「病院で亡くなる方が多くなった今、闘病や衰弱などによって元気だったころの面影をなくしていたり、傷を負っている方もいらっしゃいます。ご家族や葬儀に訪れた方に、元気だった頃の姿でお別れをしていただきたいと思っています」(古内氏)

  また、同社では遺族サポート「ひだまりの会」をはじめ、家族を失ったご遺族の葬儀後のグリーフケアを行う。今後は多種多様な業界とアライアンスを組み、遺族の生活をサポートする事業も積極的に展開していく方針だ。

【新刊紹介】
グリーフケア ─見送る人の悲しみを癒す─ ~「ひだまりの会」の軌跡~ 
公益社が社会貢献活動として行っている遺族サポート「ひだまりの会」を中心に、死別体験者を支援するグリーフケアの研究者とその大切さを著している。
●著者(共著)
燦ホールディングス株式会社 株式会社公益社 代表取締役社長 古内耕太郎
関西学院大学 人間福祉学部准教授 坂口幸弘 
●発行 毎日新聞社 (1,300円+税)

■「Leader&Innovation 賢者の選択」とは

視聴者が一番訊きたいテーマに鋭く切り込む、ビジネスパーソン必見のテレビ番組。
『すべての選択にはフィクションに勝るドラマがある。』
燦ホールディングス株式会社の取材映像 → ここをクリック