お金の「自由度」から考えた、高等教育無償化と財源の議論

お金にある
3つの「自由」

 筆者が、近年強く思うのは、お金というものは人が思っているよりも案外「自由」なものだということだ。お金には3つの自由がある。

 第一に、お金の「使い道」の自由だ。

 蓄えたお金があれば、老後の生活費だろうと、医療費だろうと、旅行などの遊興費であろうと、「後から」必要に応じて自由に決めたらいい。

 例えば、子どもが生まれたとして、子どもの将来の学費のためだからといって、その目的用に口座を分けてお金を貯めて運用する必要はないし、まして、学資保険に加入することは合理的ではない。

 学資保険は、生命保険会社で扱っている商品の中では、保険会社の取り分が大きくない「相対的にマシ」な保険だが、運用効率が良くないし、流動性が乏しいし(加えて、途中で解約すると元本割れする場合が多い)、適切なお金の置き場所ではないと言える。「学費だから、学資保険がいいのだろう」という先入観を持たずに、お金を扱うことが大事だ。