社内のコミュニケーション・コラボレーション活性化を狙ったオープンなオフィスが新しい定番となっている。だが、これまで気づかなかった問題も浮き彫りになってきた。オフィス内の「音」もそのひとつ。不快な音、不要な音漏れは、作業の妨げになり、対人関係にも悪影響を及ぼす。その解決策として、今、「サウンドソリューション」が注目されている。

「電話の声が大きい」などのオフィスの「音のマナー」違反で迷惑を被っている人は意外と多い

聞きたくないのに聞こえる、聞かせたくないのに聞かれる

 オフィスのフリーアドレスや共有スペースの拡充によって、従業員が部署の垣根を越えて同じ場所で働く場面が増えてきた。そのようなオープンなオフィスで今、「周囲の話し声やPCの操作音が気になって集中できない」「機密性のある話ができない」といった問題が発生している。聞きたくないのに聞こえる。聞かせたくないのに聞かれる。こうしたストレスは仕事の効率を大きく低下させる要因になる。

 コクヨエンジニアリング&テクノロジーの「サウンドソリューション」は、それらの問題点を解決し、従業員同士が気持ち良く働く場を提供する策のひとつだ。

「掃除機を使われるとその音が小さくてもテレビの音が聞き取れない」という経験はないだろうか。これは、周囲の音によって特定の音を感じなくなるという聴覚特性によるもの。この特性を応用し、空調音のようなノイズを流すことで、周囲の物音を聞こえなく(マスク)するのが、同社の「サウンドマスキングシステム」だ。

(※)了解度20%=会話が聞こえることがあるが、内容は理解できないレベル。アメリカのプライバシー規格(ASTM E1374-06)
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 天井内に設置するため、穴開けやスピーカーの露出がなく、躯体の損傷や美観を損なうことなく取り付けられるのがメリット。工期も200㎡以内であればほぼ1日で完了するので業務への支障も少ない。

 また同社は音の反響を軽減し、話しやすい環境を作る吸音パネル「サウンドアブソーション」も開発。テレビ会議エリアや応接会議室のような音漏れ対策や吸音措置の必要な場所に有効で、既存のスチール壁に簡単に取り付けが可能だ。

 こうした音環境要素を組み合わせて、バランスの取れたオフィスの音環境を構築するのが同社の「サウンドソリューション」。これが「働き方改革」を実現するためのオフィスづくりに一役買っている。