新刊効率よく短期集中で覚えられる7日間勉強法は、東大を独学で現役合格し、年間50以上、累計500超の資格を取得してわかった超合理的な方法を網羅しています。「時間をかけずに短期集中で勉強し、しっかり結果を出せる」――それが、「7日間勉強法」。どんな勉強にも応用できる、この短期集中のサイクルを一部抜粋して紹介していきます。

何回も触れる情報は
脳が記憶に残してくれる

 ものごとを記憶するのに重要なのは、「回数」です。何回も触れる情報は、脳が「あ、これは覚えておくべき重要な情報なんだな」と認識してくれます。長い時間をかけて1回見るよりも、短くても何回も見ることで脳が記憶に残してくれるのです。

 たとえば、テレビのCMは通常15秒ですが、時々、特別編のようなかたちで60秒のCMが流れることがあります。しかし、60秒のほうが長いから記憶に残るかというとそうともいえず、15秒のCMを4回見たほうが、映像や歌などが印象に残っているものです。

 これを踏まえ、短いスパンで何度も繰り返し覚えて記憶に定着させるのが「7日間勉強法」の直前期の暗記です。

1問を1秒で読む

 前日の勉強も、やることは基本的にこれまで通り、過去問を見ることです。

 じっくり読み進めていては回数をこなせないので、スピードを意識して読むようにします。「1問1秒」が目安です。

「1秒なんて、短すぎて何も記憶に残らないのでは?」と思うかもしれませんが、たとえ1秒でも、目に触れた情報は無意識に脳に刻み込まれているものです。

 じっくり読むと、1周するのに1日ではとても終わりませんが、1問1秒なら時間はかかりません。仮に過去問50問を10回分、計500問とすると、8分ちょっとくらいで1周できてしまいます。四択問題だと選択肢の数が2000個になりますが、それでも33分くらいです。このペースで、問題と答えを3周くらい見ていくのです。

前回までのあらすじを
読んでいる感じですいすい入る

 最初の1~2周目は、無理に覚えようとせず、全体を軽く流していきます。金曜日までの勉強をいったん仕切り直し、直前期の勉強にシフトするためのウォーミングアップのようなイメージです。連続ドラマを、前回までのあらすじで振り返るような感じといってもいいかもしれませんね。これまで勉強してきたことを見返すと、「意外とやれたな」と自信や達成感も生まれ、前向きな気持ちでラストスパートに臨めるというメリットもあります。

 3周目からは、「覚える」という意識で読んでいくのですが、これもそんなに気負わなくても大丈夫です。1日で3回触れたら、さすがに脳も「これは大事だ」と認識して覚えてくれます。回数をこなせば、自然と頭に入ってきます。

 それでもなかなか記憶に定着しないのであれば、できるだけ間を置かずに、繰り返し触れるようにすることです。短時間のうちに何度も出てくる事柄も脳は重要だと認識するため、より強く記憶に残るのです。「短時間」が具体的にどれくらいの時間なのかは断定しづらいのですが、数十分から数時間くらいの間、と思ってください。とにかく、記憶が薄れないうちに何度も目にすることが大切です。問題の全体量が多い場合は、特定の科目・分野だけ何度か繰り返したり、集中的に覚えたいところだけ繰り返したりしてもいいでしょう。

 逆に、すでに覚えている箇所は一瞬目を通すだけにして、どんどん次へ進むようにします。最初から最後まで全部読もうとしてしまう人もいますが、すでにわかっているところに時間をかけるのはもったいないので、覚えていない箇所に時間を割いたほうが得策です。