英タワマン火災はなぜ大惨事になってしまったのか炎をあげるロンドンのグレンフェル・タワー Photo by Natalie Oxford

6月14日深夜、ロンドン西部の高層公営住宅「グレンフェル・タワー」で起きた火災は避難が大幅に遅れ、多くの犠牲者を出してしまった。一方、日本でも高層マンションがあり、火災発生に備え、どんなところに問題があるのか、サニーカミヤ氏が解説する。

 2017年6月14日、午前1時20分(日本時間午前9時20分)頃、英国・ロンドンの西部ノッティングヒル近く、ラティーマー通りのグレンフェル・タワー(Grenfell Tower:2016年改修済み)の24階建て、高さ68mの建物にある約120世帯の2階または4階から火が外壁、非常階段を伝って建物全体に延焼し、死者12名、重傷者約20名、軽傷者と中等症者約78名の大規模な火災が発生した。

 現在も建物内にいる逃げ遅れ者数、出火原因などは不明。現在ロンドン消防局が火災の詳細を調査中であるが、倒壊の危険もあり、2次災害の危険があることから残火鎮滅作業も困難な状況である。

(出典:YouTube「LONDON FIRE | GRENFELL TOWER (multiple perspectives)」)

 英国のテリーザ・メアリー・メイ首相は「多くの死者を出してしまったことに心から追悼の意を表す」と記者団へコメント。

 ロンドンのサディク・カーン市長は、この火災を事故ではなく、「重大な事件」と宣言。警察局と消防局代表のニック・ハード氏は、「どのように行政が今回の大規模火災について対応するかは決まっていない」と発表した。