1人当たりGDPが1万ドル突破(08年)した上海が、一大消費地として成長を続けている。市街地で目にする消費の実態は、民度の高まりとともにワンランク上の生活を渇望する現状を示唆している。今、上海の居住者は何を欲しがっているのか、その社会的背景にあるものは何なのかを探った。

 先頃、日経BP社が「2011年中国ヒット商品ベスト25」をまとめたが、そのベスト10が7月2日の日経新聞に掲載された。ランキングからは、時代性と社会背景が読み取れ大変興味深い。上海においてもこれらは確かに人気アイテムだと言える。

1位 新浪微博(ミニブログ)
2位 iPhone
3位 団購(グルーポン)
4位 喜羊羊与灰太狼(アニキャラ)
5位 雲南白薬牙膏(薬用歯磨き粉)
6位 LOCK&LOCK(収納容器)
7位 85度C(ベーカリーチェーン)
8位 豆乳メーカー
9位 ミドルクラスSUV
10位 コラーゲン(フェイスマスクほか)
(7月2日付け日本経済新聞より)

 1位の新浪微博は、中国版Twitter。中国では微=ミニ、博客=ブログを現す。2011年上半期、中国のミニブログのユーザーは1億9500万人となり、前年同期の6331万人から倍増した。有名人では、中国女優の姚晨が900万人を超えるフォロワーをつけトップ、台湾の女性アナウンサーの徐熙◯(○は女偏に弟)が800万人で2位にランキングされている。

 2位はiPhoneだが、上海でもiPhoneのみならずアップル製品を携帯することは若者の憧れだ。最近、安徽省の高校1年生が「iPad2」欲しさに自分の腎臓を売ったニュースは記憶に新しい。中国では、「iPhone4G」は6000元~7000元台(約7万5000円~約8万7500円)、「iPad2」は4000元~6000元台(約5万円~約7万5000円)で販売されており、非常に高価な製品と受け止められている。