村田とソニーの決算“異変”に見る、スマホ市場下落の予兆スマートフォン市場に軟化の気配が垣間見える

 エレクトロニクス・電子部品各社の2017年度第1四半期決算が出そろった。パナソニック、シャープ、ソニーとも前年同期比増収増益。特にソニーは第1四半期営業利益としては過去最高となる1576億円をたたき出した。

 一見順風満帆の内容だが、不穏な影が垣間見える。その最たるものが、各社が売上げを依存するスマートフォン市場の軟化の気配だ。

 通信モジュールなどスマホ向けの世界トップシェア製品を多く持ち、連結売上高の約6割がスマホ向けという村田製作所の決算の“異変”にそれは象徴される。

 村田の営業利益(連結)は前年同期比で15.9%の減益となった。通信用途向けのコンデンサなどの部品が減少したことが主因で、同部門は前年同期比6.1%の売り上げ減となった。

 米アップル、韓国サムスンはもとよりスマホ生産量でこの2社に次ぐ規模に成長した中国メーカー群など、世界の主要スマホメーカーのほぼすべてと取引がある村田。その業績はスマホ市場の動向を読み解く先行指標としても使われてきた。

 村田の竹村善人常務は通信部門の急減速について、「中国メーカーの在庫調整は進んでいるものの、これらのメーカーはアップルの次期モデルを意識しつつ仕様を決めかねており、次のモデルの発注にいたっていない状況」との見解を示した。