>>(上)より続く

 さらに、環奈さんの娘さんは彼と一緒に食事をしたり、寝たりするなかで次第に、彼に懐いていきました。同居している環奈さんの兄の方が付き合いは長いのに、「(兄と)お風呂に入ったら」と言っても嫌がっていたのですが、彼のことを嫌がる素振りは見せず、娘さんは風呂場で彼の背中を洗ってあげたりしていたそうです。また、娘さんが幼稚園で熱中症になり、病院へ連れて行って、点滴をしている最中も泣きながら「(彼に)会いたい!」と懇願したとのこと。今までママ(環奈さん)にベッタリだった娘さんが心を開いたことを環奈さんは喜び、彼の頼もしさに惹かれ、元夫の代わりに娘の父親になってくれたら……と淡い期待を寄せていたのです。

 実際のところ、環奈さんはわずか4年で元夫との結婚生活に終止符を打ち、乳飲み子を抱えて実家へ出戻りました。日夜、育児に奔走しており、外で働いて稼ぎを得ることは難しいので、実家へ生活費を入れることもできず、兄夫婦にも娘さんの面倒も見てもらうこともあるので心苦しい思いをしていました。

 そのため「自立してできるだけ早く実家を出たい」と常日頃考えており、それを叶えてくれるのが彼との結婚(再婚)だったのです。離婚前から付き合っていれば、離婚成立と同時に結婚(彼にとっては再婚)できるに違いない。

 一刻も早く、そして確実に結婚するための方法「離婚前の交際=結婚の予約」と自分なりに解釈していたようですが、百歩譲って彼が無事、妻と別れることができれば、順序違い(離婚する前に付き合い始める)の罪も多少、カモフラージュできるかもしれません。

 しかし、彼にとって離婚の大きな障害となっていたのは「離婚したら、もう子どもに会わせない」という妻の一言。そうこうしている間に3ヵ月が経過し、環奈さんの目論見通りに事は進みませんでした。

生活費も払わず母と衝突も
第三の女性宛てのメール!?

 さらに一緒に生活を続けるうち、彼のだらしなさも露呈し2人の間で次第に喧嘩が増えていきました。例えば、彼は実家のリビングで寝転がりながらテレビを見たり、夕飯を食べても食器を片付けずに置いたままにしたり、風呂上りにタオル1枚でうろついたり……「娘の彼氏」という立場で入り浸っているだけなのに酷い有様です。彼のだらしなさを目の当たりにして、同居中の母親も見るに見かねて彼に対して苦言を呈したのですが、彼は彼で「はいはい、分かりました」と口先で言うだけ。実際にはほとんど反省しておらず、改めるのは一時だけ。すぐに戻ってしまい、生活態度を根本的に改める気がないのは明らかでしたが、それだけではありません。