「文章が苦手。書いている時間がツラい。メールも企画書もできれば書きたくない…」
「最初の1行を書き出すまでに、ものすごく時間がかかる…」
「文章がうまく伝わらない。しゃべって伝えることはできるのに…」
「書き直しを何度も命じられて、いつまで経っても書き終わらない…」
「数千字のレポートなどは、文字が埋まらなくて苦痛だ…」

そうした文章を書く人の悩みを全て解決する新刊『10倍速く書ける 超スピード文章術』が、発売間もなく重版が決まるなど、大きな注目を集めている。本連載では、そのエッセンスをたっぷり紹介する。

なぜ、「1日300字」しか書けなかった超遅筆家の著者が、「1時間3000字」「5日で本1冊」の超爆速ライターに変わったのか。メール、企画書、ブログ、レポート、本1冊まで、あれこれ悩まず「とにかく速く書き終える」ための全技術をお伝えしていく。

「目的」と「読者」によって
文章の素材は180度変わる

『超スピード文章術』では、「独自の事実」「エピソード」「数字」といった文章の「素材」を正しく速く集めるための、2つのルールを紹介しています。

(1)文章を書く「表面上の目的」を掘り下げて、「その文章を読んだ読者にどんなことを感じてもらいたいのか?」という「真の目的」を決める

(2)具体的な読者を決める。どうしても読者をイメージできないときは、身近にいる友人や知人の「1人」を選んで読者に設定すればいい

この2つの作業を通して目的と読者がはっきりすると、一気に集めるべき素材はイメージしやすくなります。どちらか一方ではいけません。両方を具体的に決めるのがポイントです。

そして、決めた目的と読者は、常に念頭に置いておく必要があります。素材を集めているとき、そして実際に文章を書くときにいつの間にか忘れて、「誰に向けてどんな文章を書いているんだっけ?」という状態になってしまうからです。

だから、集めた素材を書き溜めておくツールとしての「メモ帳」や「メールの下書きフォルダの件名」、実際に文章を書くときの紙面の上段などに、

目的:○○
読者:●●

と記して、常に目に見える位置に書いておくのがポイントです。

(※なお、素材を高速で集める具体的な方法については、ここでは紙幅を割けませんので、是非『超スピード文章術』をご覧いただければ幸いです)
 
それでは、目的と読者によって、どのように素材が変わるのかをイメージするために、具体的な場面を設定してみましょう。

「誰に、何を感じてもらうか?」を決めれば超速で書ける方向性が定まれば、誰だって爆速で書ける

たとえば、「交通安全」というテーマだけが与えられて文章を書きなさい、と言われたら、あなたは何を書きますか。