いつもの冷蔵庫の食材が簡単! 贅沢レシピに大変身! もう献立に迷わない!
あの志麻さんが、ついに待望の処女作『志麻さんのプレミアムな作りおき』を発売! たちまち大きな話題となり、重版が決まった。
ふだんお家で食べたことのない「タンドリーチキン」、「農家の野菜スープ」、「ラタトゥイユ」、「豚肉のビール煮」、「お米のニース風サラダ」、「ローストビーフ」、「アッシ・パルマンティエ」、「ハヤシライス」、「メンチカツ」、「チョコレートムース」など、フランス家庭料理から、和洋中、エスニック、おやつまで秘伝のレシピが多数収録され、ふだん料理をしない人でも、手早く簡単に作れてしまうというから驚きだ。
冷蔵庫にあるふつうの食材が、なぜ、ワンランク上の「簡単! 贅沢レシピ」に変身するのか? 
これさえ覚えておけば、平日多忙なお父さんお母さんも、尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。
3時間で15品以上作るという志麻さんを、本書担当編集が直撃したレポートをお送りする。
(撮影:新居明子、構成:寺田庸二)

「伝説の家政婦」が明かす<br />日本人だけが知らない?<br />「塩」の魔力志麻(しま)
大阪あべの・辻調理師専門学校、同グループ・フランス校を卒業し、ミシュランの三つ星レストランでの研修を修了。その後、日本の有名フランス料理店で15年働く。家事代行マッチングサービス「タスカジ」に登録し、1年足らずで定期契約顧客数がナンバーワンとなる。予約表に登録すると30分以内に予約で埋まり、「予約が取れない伝説の家政婦」と呼ばれるようになる。各家庭に出向き、冷蔵庫にある食材で、フランス料理、和洋中など世界各国の料理に腕をふるう。各家庭の家族構成や好みにきめこまやかに応じた料理が人気でリピーターが絶えない。フランス人の夫と生まれたばかりの子どもと3人で暮らす。

塩ってこんなにすごいのか!

 志麻さんの料理を取材していると驚くことの1つに、塩の使い方があります。

 日本で生活していると、「塩」はありふれた調味料ですが、志麻さんによると、フランス料理を学ぶと、「塩って本当にすごい!」と塩の見方が変わるとか。

 まず、塩だけで、野菜の甘味やうまみが引き出されること

 野菜に塩をしてしっかり炒めるだけで、野菜の甘みやうまみがどんどん引き出されるのです。

 志麻さんいわく、
「塩の『量』や『投入するタイミング』にこだわっている。しょっぱすぎるのと、ちょうどいい間のギリギリのラインまで“踏み込んで”塩をすると、食材のうまみが引き出されておいしい」

『キャロット・ラペ』本書p.90)や『コールスロー』本書p.102)は、野菜を切ったら塩をふってよくもみ、しばらくおきます。『下味の塩』を大切にすると、水分がしっかり出て、次に入れるドレッシングの味がよく入る」  

「伝説の家政婦」が明かす<br />日本人だけが知らない?<br />「塩」の魔力
「伝説の家政婦」が明かす<br />日本人だけが知らない?<br />「塩」の魔力

 

 ですから、志麻さんが行く各ご家庭で料理をするときにも、しっかり塩をしながら、肉や野菜のうまみを引き出すそうです。

 また、塩には、うまみが凝縮するという大切な役割があるので、「農家の野菜スープ本書p.34)やラタトゥイユ本書p.64)では、野菜を鍋に入れたらすぐに塩をふります。

「伝説の家政婦」が明かす<br />日本人だけが知らない?<br />「塩」の魔力
「伝説の家政婦」が明かす<br />日本人だけが知らない?<br />「塩」の魔力

 

 すると、水分が出て、うまみが凝縮すると同時に、野菜自身の水分で火を通すので野菜の味がひき立ちます。

「材料を鍋に入れたら、とりあえず塩をふる」というほど、塩が素材のうまみを最大に引き出し、仕上がりのおいしさにつながるそうです。

 本書でも、志麻さんがなにげなく塩をふっているように思われますが、ご家庭で料理のおいしさを再現するコツは、下味の塩の量や、どのタイミングで塩に入れるかにあると言っても過言ではない、というから驚きです。

 冷蔵庫の食材でできる、鮮やかな志麻さんプレミアムレシピの数々は、連載第1回 https://diamond.jp/articles/-/140457 をご覧いただければと思います。