プレゼン、会議、打ち合わせに効果抜群! 仕事に効く「図の使い方」。
企業研修、ワークショップの実績多数! ニューズピックスのクリエイティブ統括者であり、どんなものでも「図」にする図解オタクの櫻田氏の新刊、『図で考える。シンプルになる。』がいよいよ発売! 発売4日で重版も決まり、話題になっている。

WIRED、ハフィントンポストといったメディアからのデザイン依頼に加え、コンサルティングファームや広告代理店で「図解思考」「デザイン×図解」などのテーマで研修をこなす本格派は何を語るのか。その秘伝の秘を、本連載ではあますところなくお伝えします。(構成:中村明博)

紙とペンだけでできる!
どんどん書いていこう!

「なぜお金が貯まらないのか?」「売上を上げるにはどうしたらいいか?」。成功や失敗の要因は1つではなく、複数が絡み合っている場合が多いもの。そんなときに使えるのが「深掘りの図」です。下図を見てください。

地頭もぐんぐん良くなる!<br />「深掘りの図」の使い方『図で考える。シンプルになる。』より
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 このように四角と矢印で「なぜ?」を繰り返し、考えを深める図です。

地頭もぐんぐん良くなる!<br />「深掘りの図」の使い方櫻田潤 (さくらだ・じゅん)ニューズピックス インフォグラフィックエディター。仕事に必要な知識を身につける過程で、「モノゴトを深く理解したい」という欲求を持つようになり、そこから本やテレビ番組の要約を「1枚の図」にまとめる習慣が生まれる。作り上げた図を、自分の個人サイト「ビジュアルシンキング」にアップしたところ、従来の図解にデザインの考え方を反映させた手法が話題になる。

「要因」と似た言葉に、「原因」があります。何かが起きた理由が1つの場合は、「原因」と言うことが多いのですが、ここでは複数のさまざまな理由を探っていきたいため、「要因」を使います。

「深掘りの図」は要因を見極めるのに使えます。下図を見てください。

「最近、急成長しているA商事の強さの秘密」をまとめたものです。

要因をしっかり分析できれば、複数の打ち手を考えられるようになります。

「優秀な人材が多い」「豊富な人脈、コネを持っている」はコントロール可能なことで、A商事だけの特権ではありません。下図を見てください。

このように要因をしっかり分析していきましょう。

次は、「優秀な人材が多い」「豊富な人脈、コネを持っている」のどちらかに絞って、A商事の強みを深掘りしていきましょう。

 このように整理すると、人材採用、人材育成、自社ブランドの構築、人脈作りなど、自社の課題が見えてくるかもしれません。

 身近な疑問を「深掘りの図」で考えてみましょう。例えば、「売上が伸びないのはなぜか」「あの店にまた行きたいと思うのはなぜか」などです。思考整理のいいトレーニングになります。