新築マンションを購入したいと思っていても、「買いたいエリアに、買える価格の新築が出ない」と嘆く人は多い。その一方で、中古住宅として売り出される物件は増え続けている。豊富な物件の中から希望に合う中古住宅を探し出したほうがいい。そう考える人のために、成功に至る「中古住宅購入術」を伝授しよう。

MIND SET その1
本当に買いたいのか

 最初にしっかり取り組むべきは、自分の「家を買いたい気持ち」の整理だ。「いい家があったら買いたい」ではなく、「これこれこういう条件であれば買う。そうでないならば買わない」と、きちんと心を決めることだ。

 一番大きな不安要素であるお金の問題について、まずは「居住性」と「資産性」の判断を、ざっくり押さえておきたい。

 例えば、今住んでいる家賃11万円の2DKと、近所に見つけた70m2・4000万円の中古マンション。現在の住宅ローンは超低金利なので、仮に全額を35年1%の固定金利で借りれば、月々の返済は11.3万円。家賃と同程度の支出でより高い居住空間が手に入るわけだ。この金利や返済額は、話を分かりやすくするために単純化した例えだが、要は、同じお金の負担で手に入れられる居住空間を比較する、ということだ。

 次に資産価値の判断。中古物件は築年数経過とともに価値が下がっていく。ただ、多少目減りしても、売却する場合に住宅ローンの残債を割り込まなければ、一定の資産性を維持していると考えることができる。

 購入に踏み切るには、①資金面で無理がないことが大前提だが、②賃貸に住むより生活レベルが向上すること、③将来の売却時のリスクヘッジができることの3点が「買う」決断の前提条件になる。