世の中には考え方の本がたくさん出ています。しかし、そもそも考えるってどういうことでしょう?考えるということは誰にでも自然にできることなのでしょうか? 
ロジカルシンキングや問題解決の本を読んでもうまく考えることができないのは、「知識」が「思考」を邪魔しているからなのかもしれません。

「考えてる人」の頭の中は

「考える」というのはむずかしい概念です。「自分は今、必死で考えているんだ!」と主張する人の頭の中をのぞいてみたら、そこは、

 ああ、どうしよう。困った。このままじゃダメだ!とりあえず様子をみてみようか?いやダメだ。それじゃあ悪くなるばっかりだ。なんとかしなくちゃ。でもどうすればいいんだろう?誰かに相談すべきだろうか? でも誰に?誰に話せばいいんだ?うーん、いったいオレはどうすればいいんだろう!?

 という状態だったりします。これを私たちは「考えている」と呼ぶでしょうか?これが「思考」でしょうか?

 とてもそうは思えませんよね。むしろこれでは「なにも考えていない」状態に近い気さえします。 「自分の頭で考えることが重要だ」という言葉を聞くことも多いのですが、なぜわざわざこんな言い方をするのでしょう?誰も「他人の頭で考える」ことはできません。なのに「自分の頭で考える」という言い方まで存在するのはなぜでしょう?

 などと、「考えるってなんだろう?」と考えていても、結局なにも考えられないので(!?)、ここでは例題を使って実際に考えてみましょう。