『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

子供は両親の価値観を無視することはできない

子どもの価値観を決めるのは「◯◯価値」である

 両親が持っている価値観を家族価値と言います。家族価値は家族の理想であり目標です。例えば「学歴が大事である」「男は男らしく、女は女らしくなくてはならない」「勤勉が第一」「結局はお金がすべて」などがそれに当たります。

 家族価値は両親が共に同意しているものに限らず、二人の間で一致し、統一されていなくても、常に話題になっているものであれば、それは家族価値になります。

 子供は家族価値を無視することができません。多くの場合、子供は全面服従して家族価値をそのまま自分の価値として取り込むか、もしくはその逆に全面反抗をします。例えば、警察官の子供は「規律正しくあるべきである」という家族価値に対して二つの姿勢を取ることができます。一つは全面服従し、自らも規律に対して従順になる方法です。もう一つは、全面反抗で、非行に走るようになる、という方法です。これと同じように、教師の子供が学校で落ちこぼれたりするのは、全面反抗の代表的な例です。

 このように家族価値は子供の価値観形成に大きな影響を与えます。しかし、気をつけなければならないのは、子供の性格が親の価値観により「原因論」的に決まるのではない、ということです。子供は自分の意思で服従するか反抗するかを決めています。常に「自己決定性」を持っている、ということを忘れてはいけません。

子どもの価値観を決めるのは「◯◯価値」であるアルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

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