毎日午後9時になると1万人の“行列”ができ、セール開始とともに高級品が次から次へと売れて行く――。

会員制ショッピングサイトとして、2007年の設立から4年で売上高が5億ドル(約375億円)と急成長した米ギルト・グループ。制限時間を設けて高級ブランドの商品を格安販売することで30代女性の支持を集め、米国の会員数は約350万人、日本でも約77万人に達する。このほど、ソフトバンクから約50億円の出資を受け、次なる展開を描くケヴィン・ライアンCEOに事業戦略について聞いた。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 小島健志)

2013年に売上高は倍の10億ドルへ<br />高級品のネット販売で上場も視野に<br />――米ギルト・グループ<br />ケヴィン・ライアンCEOインタビュー米ギルト・グループ ケヴィン・ライアンCEO

――事業の急拡大が続いている。

 最初は女性向けの高級ブランド品販売が中心だったが、それが男性向けへ、そして子ども向けへと広がった。いまや貸別荘や旅行商品も扱うようになった。顧客の立場に立てば、商品の幅をもっと広げてもらいたいはずだ。より多くの商品を提供することにしたのだ。

 5月には高級食材の販売も始めた。米国のグルメサイトにおいてはわずか2週間でナンバーワンになった。これには勇気づけられている。

 展開する国も日米から広げる。まもなく、米国を起点に世界90ヵ国へ商品を出荷する試みも始める。

 顧客層としては、30代の女性が一番多い。平均年齢は34歳で、男女の比率は70対30と女性が多い。とりわけ都市部の女性が多く、所得の高い富裕層が含まれている。

 一方で男性も30%いる。一般的に、デパートの売り上げに占める男性の割合は15%程度。うちのサイトの方が勝っている。男性向けを扱うことですそ野を広げた。

――格安で仕入れた高級ブランド品を一気に売る「フラッシュセール」のモデルは日本でも支持されたが、最近は、割引しない商品も増えている。事業戦略に変化があったのか。