業界26社を束ねる日本損害保険協会。今年6月に会長に就任した三井住友海上火災保険の原典之社長に、損保業界が足元で抱える課題などについて聞いた。
保険料収入の伸び悩み、代理店の高齢化…損保協会長が語る課題Photo by Kazutoshi Sumitomo

──2016年度に、大手3グループの国内保険料が8年ぶりに前年割れしましたが、動向をどう捉えていますか。

 15年度に火災保険の期間をそれまでの最長36年から、10年に限定したということがありました。その(駆け込み需要の)反動が、16年にきたということが一番大きいところですね。

──業界全体で国内の保険料収入の伸び悩みを懸念しているわけではありませんか。

 損保業界は景気と連動しやすいんですよ。例えば車が売れれば自動車保険が売れるとか、あるいは住宅着工が進めば火災保険の契約につながるとか、あるいは輸出が増えれば貨物保険が売れるとかですね。

 日本の経済は、GDP(国内総生産)で1%程度の実質成長率で、損保業界も1~2%程度伸びているというのが今の状況です。

──金融庁が顧客本位の業務運営を金融機関に強く求めています。生命保険業界は手数料の開示を一部でしていますが、損保業界はどう対応していくのでしょうか。