開発から生産、保守に至るまで、製品ライフサイクル全般の情報を最適な状態で管理するPLMシステム。なかでも、生産性向上や開発の短期化、海外進出の際のコミュニケーション基盤としても欠かせないソリューションが「Teamcenter」だ。

シーメンスPLMソフトウェア
日本法人代表取締役社長
島田 太郎

 日本の「ものづくり」が苦境に立たされている。労働力人口の減少により、国内市場は縮小傾向が続き、国際市場での競争もいっそう激化している。加えて環境規制への対応や開発期間の短期化、生産効率化、コスト削減など、課題は山積みだ。こうした課題をクリアするためのツールが、PLM(製品ライフサイクル管理)システムだ。

 PLMとは、製品企画から開発、製造、サービス、保守、廃棄に至るまで、製品にかかわるすべての情報を包括的に管理すること。世界中で多くの製造企業に使われているPLMシステムが、シーメンスPLMソフトウェアのTeamcenterだ。同社日本法人の島田太郎代表取締役社長はこう語る。

「製品には開発期から成長期、成熟期、衰退期に至るライフサイクルの曲線があります(下図)。Teamcenterを導入し、設計や製造に関するさまざまな情報をきちんと管理、共有、活用することで、製品開発全体の短期化やコスト削減、生産性向上に効果を発揮するとともに、製品価値の向上とライフサイクルの長期化が実現します」

 シーメンスPLMソフトウェアは世界中の製造企業にPLMやCADなどのソフトウェアを提供している。米フォーチュン誌が選ぶ大手グローバル企業100社のうち半数が、なんらかのかたちで同社製品を使用しているという。日本でも同社製品を利用している企業は多い。
 

製品は、開発段階から衰退まで、青の線のようなライフサイクル曲線を 描く。PLMシステムによって、プランニングから開発、製造、サポー トまでを継続的に行える環境を構築すれば、オレンジの線のようにライフサイクルを延ばし、利益を最大化できる