最悪だった前回2009年ショーから
一気に巻き返しなるか?

 リーマンショックの直撃を受け、主催者の予想を遥かに下回る出展者数、入場者数となった前回2009年の第41回東京モーターショー(於:幕張メッセ・千葉県千葉市)。あれから2年――第42回東京モーターショーは1987年開催の第27回(於:東京国際見本市会場・東京都中央区晴海)以来、24年ぶりの東京都内開催となる。開催地は東京国際展示場(通称:東京ビッグサイト・東京都江東区有明)で、2011年11月30日、12月1日が報道陣向け公開日、12月2日が特別招待日、そして一般公開日が12月3日(土)~11日(日)となる。

 今回の出店者数は世界12ヵ国と1地域(前回は10ヵ国と1地域)から176社(前回比36%増)、総展示面積は3万5151m2(前回比61%増)。国内メーカーでは14社・15ブランド、海外メーカーは20社・24ブランド(前回は9社・9ブランド)。このように、数字の上ではイベント自体が持ち直しの傾向にあることが分かる。

 だが、東京モーターショーが完全に復調したとは言いがたい。それを証明するのが、今回のショーのテーマ「技術立国・日本」だ。

 日本の自動車産業界は、消費面では少子高齢化、地方経済の衰退による低所得層の増加、そして都市圏での自動車所有意識の急激な弱まり(俗称:若者のクルマ離れ)などの影響を受け、市場の縮小傾向が止まらない。それに加えて、製造面では周知の通り、延々と是正されない超円高、高い法人税率、非正規雇用に対する法の縛り、さらには東日本大震災とタイ大洪水による部品供給体制への大打撃などにより、自動車メーカーの完成車組立工場や部品メーカー工場などの海外移転(=国内空洞化)が本格開始の瀬戸際まできている。また、日本のTPPへの参加も、結果的には自動車産業の海外移転を後押しするカタチになる。

 だからこそいま、いや、いまさらながら日本自動車産業界は「技術で立国する」と言わざるを得ないのだ。電動化技術、燃料電池技術、テレマティクス技術など、現時点で世界をリードしている日本の自動車技術を深堀りすることが、「日本の生きる道」という解釈だ。

 そうして得た外貨で国内消費を支えて、日本自動車市場の縮小下げ止まりを狙うしかないのだ。