東京ガスは2020年度を最終年度とする長期経営計画「チャレンジ2020ビジョン」を打ち出した。今後の方策と展望を聞いた。

東京ガス社長 岡本 毅<br />海外のLNG開発に参画して<br />権益を獲得し調達力を高めるPhoto by Yoshihisa Wada

──政府のエネルギー政策の先行きが不透明な時点で、10年先の長期計画を打ち出した理由は。

 現在のエネルギー基本計画にある原子力発電主体の計画は非現実的なものとなった。

 そこで、LNG(液化天然ガス)に対する期待が高まるのを実感した。「LNGで日本経済と国民生活に貢献したい」という使命感を社内外に強く訴えたいと思った。

──長期計画では、2020年度に売上高2.5兆円、当期利益900億円超のほか、エネファーム(家庭用燃料電池)を現状の33倍、国内発電事業を現状の1.5~2.5倍にするという目標を掲げている。実現性の高い目標なのか。

 簡単ではないが、不可能ではない。ただし、エネファームについては、20年度までに30万台というかなりチャレンジングな目標だ。現在のエネファームの課題は、定価が260万円と高く、設置スペースが大きいことだ。補助金を利用してもお客様の負担額は、150万円程度と高額。13年までにはお客様の負担額が100万円を切る価格まで下げ、マンションでの設置も可能なサイズに小型化する。20年までには補助金なしでも60万円を切るレベルまで価格を引き下げた製品を発売する。そうしなければ、普及は困難だと思う。