大震災と原発事故に襲われた2011年が暮れようとしている。スポーツ界も少なからずその影響を受けたが、暗く沈んだ人々を元気づけたのも、再び立ち上がって戦いに臨み躍動したアスリートたちの姿だった。

 新たな年が始まる。大災害の痛手が癒えたわけではないが、全力を尽くして戦うアスリートから力を得られることも多いはずだ。新年に行われるスポーツイベントの見どころを紹介しておこう。

2012年は3強がしのぎを削り
面白くなりそうな箱根駅伝

 なにはともあれ今や正月の風物詩であり、多くの人が楽しみにしている駅伝から。

 例年通り、元日には全日本実業団ニューイヤー駅伝、2日、3日には関東の大学生による箱根駅伝が行われる。どちらも注目ポイントは多いが、とくに今回、見ごたえがありそうなのは箱根駅伝だ。

 ディフェンディングチャンピオンは早稲田大。前回は2位東洋大の猛追を受けたが、21秒差で逃げ切り、18年ぶり13度目の総合優勝を成し遂げた。早大は前年の秋に行われた出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)、伊勢路を走る全日本大学駅伝(全日本)でも優勝しており、学生3大駅伝すべてを制覇。盤石の強さを見せつけた。

 といっても、鍛えられた上級生を揃えて勝ち取った集大成の勝利というわけではない。1区で果敢に飛び出し貯金を作った大迫傑は1年生だったし、4区で区間2位の好走を見せた前田悠貴は2年生。7区2位の三田裕介、9区2位の八木勇樹は3年生で、それぞれ1学年上がった今回もエントリーされている。前回の優勝メンバー10人中6人が残っているのだ。当然、今回の優勝候補にも早大の名がまずあがる。ところが連覇への道のりはかなり険しそうなのだ。

 前述したとおり、箱根駅伝の前には出雲、全日本というふたつの大学駅伝がある。この成績を見てみよう。

・出雲(10月10日)
1位=東洋大、2位=駒沢大、3位=早大

・全日本(11月6日)
1位=駒沢大、2位=東洋大、3位=早大