大分市で英語教室を営み、一人娘すみれさんを県立高校からハーバード大学に合格させた廣津留真理さんが、「衝撃の出会いだった」と語る本がある。それが、カル・ニューポート著『今いる場所で突き抜けろ!』だ。ベストセラーとなった自著『英語で一流を育てる』もある廣津留さんが、多岐にわたる活動で超多忙な中、なぜ自ら日本語訳をしようと買って出たのか、その魅力と読みどころを「訳者まえがき」で語る。

娘が地元公立高校からハーバード大学に
入学した年に衝撃の出会い!

 本書『今いる場所で突き抜けろ!』は2012年にアメリカで出版されたSo good they can’t ignore youの翻訳である。2012年は、私の一人娘が大分の県立高校からハーバード大学に入学した年で、私が英語関連の株式会社を立ち上げ、非営利の教育団体Summer in JAPANを設立した年でもあった(2013年より一般社団法人)。子育ても終わった、と当時、多くの人に支えられながら少しでも世の中のお役に立てればと無我夢中で奔走する中、出会ったのがこの本なのだ。

 原題は、アメリカの俳優・コメディアンとして有名なスティーブ・マーティンのセリフを著者カル・ニューポートが引用したものだが、2012年の私には衝撃のタイトルで、一気に読んでしまった。

 スティーブは、「ネタはどう書くのか」「事務所とどう契約するのか」などハウツー的な成功の秘訣を聞かれると、そんなことはどうでもよい!と次のように言った。

「いいから突き抜けたヤツになれ!」

 これしかない。突き抜けるまでうまくなったら、人が自然に集まってきた。世の中、そういうことなのだ。