「ビールの定義拡大」で13年連続過去最低の市場は蘇るか2018年はのどごしブランドの不調を本麒麟などの新商品で補う計画のキリン。雪辱は果たせるか Photo by Akira Yamamoto

ビール大手5社によるビール類の国内出荷量(課税済み)が過去最低を更新した。唯一シェアを落としたのは新ジャンルで後手に回ったキリン。同社は巻き返しを図るが、2018年の合戦は新ステージに突入する。(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本 輝)

 ビール類市場がキンキンに冷え込む中、各社の明暗がくっきり分かれた。アサヒビール、サントリービール、サッポロビールがビール類全体でシェアを上げたが、キリンビールだけがシェアを落とし、“独り負け”を喫したのである。

 ビール離れが進んでいるといわれてはや幾とせ。1月16日に発表された大手5社の2017年のビール類の課税済み出荷量は、4億0407万ケースで前年比2.6%減となり、13年連続で過去最低を更新した。

 種別ごとに見ると、ビールは2億0459万ケースで同2.9%減、発泡酒は5499万ケースで同4%減、新ジャンル(第三のビール)は1億4449万ケースで同1.5%減だった。

 キリンにとって最大の“誤算”は、新ジャンルの不調だ。市場参入以来、新ジャンルで常にトップシェアを誇ってきたが、ここ数年、他社に差を詰められ、17年上半期でアサヒに逆転を許した。下半期で挽回を図るも、ついに届かず、年間でも首位陥落に甘んじた。