私大パイロット養成学科の不人気ぶりに国が繰り出す「秘策」人命に関わるパイロット養成。一般の大学以上に講師と卒業生の質が厳しく問われる Photo by Hirofumi Nishida

 高所得でステータスのある職業として医師、弁護士などと並び称されるパイロット。

「養成校は複数あるが、学費が安く、就職実績も良い“航空大学校”を目指すのが一般的」と話すのは、航空大学校の受験指導に定評のあるパイロット予備校の谷誠代表だ。

 受験資格は一般の大学を2年修了、または高専、専門学校、短大を卒業見込みであり、一般の大学入試とは異なる。

 入試難度は倍率10倍前後と超難関ではあるが、高専、専門学校、短大卒からも合格者は出ているという。

「人命に関わる職業であり、学力・身体・適性の“高度なバランス”が求められる試験」と谷氏は力説する。

 一方で、対照的なのが2006年から設置され始めた私立大学の養成コースだ。東海大学、法政大学、桜美林大学、千葉科学大学、崇城大学、第一工業大学など全国数校と希少性があるにもかかわらず、私立中堅大学である日東駒専(日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学)並みか、それ以下の偏差値と低倍率が目立つ。