スズキ・ヤマハが本気を出した浜松市「財政健全化」の実態

 平成27年度の財政支出は168兆3415億円。その内訳は、国が70兆6583億円、地方が97兆6833億円で、地方での財政支出が国より大きい。一方で、各自治体での支出に対する注目や理解はなかなか深まらない。

 そこで今回は浜松市の取り組みをもとに、財政健全化は民間企業や民間人との協働によって実現できるという事例を示し、成功要因を他の自治体がいかに取り込むことができるかを検討してみたい。

 浜松市は2005年に周辺12市町村(3市8町1村)の合併により静岡県下最大の都市となり、2007年から全国で16番目の政令指定都市となった。人口は約80万人で、静岡市の約70万人を上回る。

 オートバイ、自動車、楽器などの領域で、いくつもの世界企業を輩出する一方、静岡市とのライバル関係、餃子の消費量に至るまで話題に事欠くことがない。実は1871年から1876年の間は浜松“市”ではなく、浜松“県”として存在していたということも興味深い。

 現在、浜松市は財政的に健全な状態にある。2014年度から全国20の政令指定都市の中で唯一、将来負担比率(※)がマイナスとなった。また、鈴木康友市長(現職)が就任した2007年度は「124.3%」であった将来負担比率が、2016年度は「-26.0%」となり、日本の構造研究所が発表した「全国知事・政令市長財政再建ランキング」の政令市長の部において、鈴木康友市長は堂々の1位となった。

(※)将来負担比率 地方自治体の借入金(地方債)など現在抱えている負債の大きさを、その自治体の財政規模に対する割合で表したもの。将来、財政を圧迫する可能性の度合いを示す指標。数値が低いほど財政の健全性が高い。