「いったい何歳から子どもにはスマホやタブレットを持たせてもよいのか。動画やゲームに依存してしまったり、成長面で問題が出る心配はないのか」。せがまれればためらいながら使わせてはいるものの、漠然と不安と抵抗を感じている親は多い。世界中の子どもの親が直面するこの問題に、科学的にはっきりとした指針はないものなのか。 世界的サイバー心理学者として知られるメアリー・エイケン博士が、デジタル・テクノロジーが人間にどのような影響を与えるか、とりわけ子供の成長への影響を発達段階ごとに見ながら、子育ての中での影響を科学的にまとめた話題の新刊『サイバー・エフェクト 子どもがネットに壊される――いまの科学が証明した子育てへの影響の真実』から、一部抜粋して紹介する。

子どもたちがスマホを使う時期は早まり続けている

 いま子どもたちは、以前よりも低い年齢からデジタル機器を使うようになっている。

 最新の研究によれば、3〜4歳の幼児の16%が自分用のタブレットを持っており、8〜11歳の児童の30%以上がスマートフォンを持っている。また、最近実施された調査によれば、5〜7歳の児童の3%、および8〜11 歳の児童の23%が、ソーシャルメディアのアカウントを持っている(こうしたサービスのユーザーは13歳以上であることを求める規制があるにもかかわらずだ)。

 現代の幼い子どもたちが触れているのは、彼らの行動に影響を与え、操作することを目的とした、高度なアルゴリズムだ。私は何年もの間、テクノロジー企業が私たちの「心理的なアキレス腱」を利用して、人々を強くするよりも弱くしていると訴えてきた。

 2017年11月、元フェイスブック社長のショーン・パーカーは、フェイスブックが「人間の心理に存在する脆弱性」につけ込み、人々をハッキングしようとしていると述べた。