「若い世代」が「手抜き」したがる理由

「会社と添い遂げる」。そんな価値観は今や昔のものとなった。プライベートを充実させることこそ大事だし、非効率的な根性論には縛られない。そして地道に研鑽を積むよりも、手っ取り早く有名になる道を選びたい。そんな若手が増えつつある。彼らの考え方は、どんなものなのか。(取材・文/フリーライター 藤井弘美)

根性論はもう古い?
スマートさを求める若い世代

 サラリーマンにとっての“会社”の在り方が、まさに今大きく変わろうとしているのかもしれない。

 今日の日本経済の成長を支えてきた世代にとっての会社とは、ありていにいって「一生を懸けて忠誠を尽くす対象」であったり、「自分や家族を犠牲にしてでも優先すべき存在」であったりすることが珍しくなかった。しかし昨今ではここに新しい潮流が混ざってきている。すなわちキャリアアップのための転職を良しとする考え方や、欧米風の「プライベートが第一、仕事はそのあと」といった価値観が当たり前のものとして世間で考えられ始めているのだ。

 加えて上司からの叱責、訓戒、いびり、いじめ、しごきなどが「パワハラ」であると認識されるようになった。昔のように、「上司の言うことは絶対」といった価値観を押し通そうとすれば、少なくともネット上などでは強い批判に晒される。

 “うつ病”や“ブラック企業”といったワードが世の中に浸透し、会社の在り方が問題視される機会も少なくない。これら一連の流れは一昔前では考えられなかったことである。

 さて、そんな現代において若い世代間で「会社勤めがつらいなら続ける必要なし」「上の世代が指導するやり方は非効率的、無視してよし」といった声が上がり、また多数の共感を呼んでいるのをSNS上などで確認することができる。