キャッシュレス決済先進国は韓国、中国、カナダ

キャッシュレス決済が日本で普及しない理由を、カナダで実感

 ゴールデンウィークを利用してバンクーバー旅行へ行った。前回は、現地で病院にかかることになり、海外旅行保険にずいぶんと助けられたことを書いたが、今回は「カナダの電子マネー決済の実態」と「海外でのおトクなお金の支払い方」についてお伝えする。

 よく「欧米はカード社会」と言われるが、実際にカナダに行ってみて予想以上にキャッシュレス化が普及していると感じた。少額でもカード払いが可能で、現金を必要とするのはホテルのチップ、タクシー代くらいだ。レストランでのチップについての詳細は後述するが、飲食代と合わせてカードで支払う方法が普及している。

 経済産業省のレポートにある「各国のキャッシュレス決済比率の状況(2015年)」によると、トップは韓国で89.1%、2位は中国の60%、3位がカナダ55.4%とある。カナダは第3位、どうりでどこでもカード支払いができるはずだ。アメリカが45%で第6位というのは意外だった。

 日本は他の国に比べ18.4%と格段に低い。政府は、外国人観光客の消費促進のため、クレジットカードなどの電子決済を中心としたキャッシュレス化を推進しているが、なかなか普及は進まないのが現状だ。

 キャッシュレス決済が日本で進まない理由は複数あるだろう。まず、事業者側から見ると、クレジットカードの専用端末の費用と、4~7%とも言われる加盟店手数料は、導入のハードルとなる。特に零細事業者にとってみると、負担は重いだろう。

 消費者から見ると、電子マネーで支払うと現金払いより安くておトクだというインセンティブがほとんどない。クレジットカードで支払うと、ポイントやマイルが貯まるといったメリットがあるが、ポイントやマイルに興味のない人にとってはメリットにならないだろう。