過日、編集部に衝撃の一報が入った。
AIや仮想通貨の2年後の姿を正確無比に緻密に描いた『マルチナ、永遠のAI。』を「映像化したい」というオファーがあったのだ。
今後AIは、ヒトの業務を補佐したり、ヒトの能力を拡張する「神のギフト」となっていくのか? もしくは問答無用にヒトから仕事を奪う「破滅者」になっていくのか?
今、人類の歴史上もっとも重大な岐路に立たされていると言っても過言ではない。
今回は、映像化オファーの経緯を紹介しよう。(構成・寺田庸二)

緊急速報!<br />アンビリーバブル?<br />AIの解説書に<br />なぜ映像化オファーが<br />舞い込んできたのか?

発売前に「映像化」の予見が⁉

『マルチナ、永遠のAI。』担当編集である私は、発売数日前に、とある方に本書を献本した。そのときに、とても嬉しい感想のお手紙をいただいた。
 それは、十年以上赤字の会社を、たった1年で黒字化した現役社長からだった。
 その中に、こんな一文があった。

「必ずドラマ化されると思います。
 タイムリーですし、近未来に必然的に起こることですから」

 今にして思うと、この手紙が最初に『マルチナ、永遠のAI。』の映像化を予見したものだった。これは、正式発売日より前のことだから、上記のカリスマ社長の先見の明には恐れ入る。

 でも、私は日々多忙だ。担当ジャンルは多岐にわたる。「伝説の家政婦」志麻さんの処女作『志麻さんのプレミアムな作りおき』から、ノーベル化学賞候補の藤嶋昭先生の著書『第一人者が明かす光触媒のすべて』まで、仕事が山積で、「映像化」に思いを馳せる余裕はまったくなかった。

 実際に、『マルチナ、永遠のAI。』が発売されると、読者の方々からこんな感想をいただいた。

「純粋に小説として面白い」
「映画化されたら絶対に観に行きます」

「いつか映像化されるといいな。
 この作品は映像化にはぴったり。
 小説を読んだことのない人にも豊かな情景描写で迫りかけてくる。
 しかも、AIや仮想通貨の知識ゼロでもスラスラ読める。
 でも、発売してまだ1ヵ月。
 映像化については、この先どこかで考えればいい」

 そんな気持ちがあったことは正直事実だ。
 しかし、そんな私のところに、衝撃の連絡が入った!

 なんと、数々の実績がある大手映像会社さんから、
「ぜひ映像化したい」
 と熱烈なラブコール、正式オファーがきた
のだ。
 これまで編集20年で135冊担当してきたが、発売1ヵ月経たずに「映像化のオファー」がきたことは1作もない。人生初だ。本当なのか? 疑い深い私は慎重に事の推移を見守った。

「映像化」、発売前から、私は「映像化したい」とずっと夢見てきた。
 初めて原稿を読んだとき、映画やドラマの映像が浮かんできた。
 だからこそ、装丁はそのイメージでつくった。こんな装丁は今まで皆無。
 映像化だけをイメージして製作してきたのだ。

 だが、映像化などそう簡単ではない。
 たくさんの人を巻き込む。
 まだずっと先のことだろうと思っていた。

 しかし、映像会社社長は当社にやってきて、こう話した。

「内容が旬なので、早めのほうがいい」
「AIや仮想通貨のことがしっかりわかりながら、ラブロマンス、サスペンスありのハラハラ感もあり、一気に読めた。これはぜひ映像化したいんです!!」

 ただ、現段階では、書籍も発売されたばかりで、どこでどう映像化されるかは未知数。
 だが、この大手映像会社社長は本気だった。
 相当前のめりに本書映像化への意気込みを熱く語ってくれたのだ。
 これから実現へ一歩一歩階段を踏み出していく段階だが、熱いみなさんと丁寧に一歩一歩、進めていきたいと思う。