スライドなしでも成功するプレゼン

 皆さんこんにちは、澤です。

 私はプレゼンテーションの講師を依頼されることがよくあるのですが、最近あるイベントで、なんと青空の下でホワイトボード1枚だけでプレゼン講習を行うという実に面白い体験をしました。

 プレゼンといえば、スライドを映しながら話したり、あるいは紙の資料を手元に配って話したりするのが一般的ではないかと思います。ところが今回、スライドがないどころか、鳥の声や風の音を聴きながらプレゼンについて説明するのは、実に新鮮でした。結果としては、非常に満足度の高い講演となり、参加者の皆さんからのポジティブなフィードバックを数多くいただきました。

 そこで今回は、その体験によって再認識した、プレゼンテーションにおけるもっとも大事な要素を3つ、お伝えしたいと思います。

1:物事の本質について語る
2:聴衆の反応を常に受け取る
3:情熱を全身で表現する

【プレゼンの大事な要素(1)】
「物事の本質」について語る

 この連載では何度もお伝えしていることですが、あらゆるプレゼンテーションでは、常に本質的なことを語らなくてはなりません。表面的な話や、ましてや自己都合の話をしても、相手は決して動くことはありません。スライドなどの視覚的な効果が使えない状態であれば、なおさら本質的な話をすることが極めて重要なポイントになります。

 聴衆は他に見るものがないわけですから、話し手だけを見て話に集中することになります。そこで“響かない言葉”を発していれば、聴衆の興味は残酷なまでに失われていってしまうのです。

 今回、青空の下で行ったのはプレゼン講習ですから、「プレゼンそのものの本質」を理解してもらう必要があります。また、プレゼンは人々の未来の行動を引き出すものであるべきだ、というのが私の持論ですので、私の伝えた内容を聞いてくださった方のプレゼンにすぐ生かしてもらうことが目的になります。

 そこで私は、その行動を引き出すために、いかにプレゼンによって人生が豊かになるかどうかを、歴史をひもといたり、実生活に照らし合わせたりして話を展開しました。