6月5日の経済財政諮問会議6月5日の経済財政諮問会議より 写真:首相官邸HP

 6月15日、「骨太方針2018」とともに、新たな財政健全化計画が公表された。これまでの計画の頓挫が明らかになり見直されたものだが、経済政策の検証を踏まえて策定されたというより、甘い経済見通しを前提にして、目標をさらに5年間先延ばした、「ぬるい」内容だ。

成長前提の「ぬるい」内容
アベノミクス“失敗”の検証なく

 新計画の注目点は以下の2つだ。

 第1に、財政健全化の指標である基礎的財政収支(PB=プライマリーバランス)の国・地方を合わせた黒字化時期を、これまでの2020年度から5年間遅らせて2025年度とした。

 第2に、中間年である2021年度に中間指標を設定し進捗を管理する。

 具体的には、PB赤字の対GDP比について2017年度からの実質的な半減値(1.5%程度)とすること、債務残高の対GDP比について180%台前半(2017年度実績見込みは189%程度)にすること、財政収支赤字の対GDP比について3%以下とすることだ。

  この新計画について検証してみたい。