>>(上)から読む

40歳以上の人たちの声
ターニングポイントは40代?

 今年40の大台に乗ったEさん(40歳男性)は、中年のボーダーラインについて次のように断定した。

「人は40からが中年」(Eさん)

 その真意とは。

「37歳くらいから『自分もとうとうアラフォーだ……』となんとなく思うようになり、中年になりつつあることを認めなければならないのかなと覚悟を決め始めていた。そしてついに迎えた40歳の誕生日、その精神的ショックには計り知れないものがあり、アラフォーの時点で感じていた覚悟がどれだけ生ぬるいものであったのかを思い知らされた。

『40歳』の放つ文句なしの中年感たるやすさまじく、そこに『自分はまだまだ若い』といった青くさい幻想が介在する余地はない。何しろ客観的な数字が無慈悲に『40歳』と告げているわけで、『時は流れる』という真理の前に一個の人間がいかに無力かという、絶望的なまでに圧倒的な事実があるのみ」(Eさん)

 早い話が、Eさんは40の大台に乗ったことが相当ショックだった様子である。たしかに十の位が一つ上に達する節目の年齢は、歳を取っていく人生の過程において強く意識されるものではある。中年認定のボーダーラインを、そうした節目上に設定することは無難であり、理にかなっているといえよう。

「例えば『お若いですね』や『若いなあ◯』という社交辞令がある。あれはたとえ本心から言った賛辞であったとしても、その言葉の裏には『あなたは実際には若くない』という暗黙の大前提がある。あれを言われ始めるのがおそらく40歳からで、あれを言われたらもう自分は若くないのだと思わなければならない。自分は40となり、これからあの社交辞令を散々浴びせられる対象となった。

 自分がこれからする身だしなみのあれこれは全て『オシャレ』ではなく『若づくり』となり、これから死ぬまでの間、若い人たちから『痛々しいおじさん』として見られる人生を送ることになってしまった」(Eさん)