AirbnbやUberは、使われていない部屋やクルマ(座席)をネットワーク化することで資源化。貸したい人と、借りたい人とのマッチングで儲けるビジネスモデルだ。これらはシェアリングエコノミーなどと呼ばれるが、革命的だったのは、貨幣とは異なる評価経済を作り、マネタイズを可能にするコミュニティを形成したことだ。では、これがなぜディスラプティブ(破壊的)なのか? グーグル、ソフトバンク、ツイッター、LINEで「日本侵略」を担ってきた戦略統括者・葉村真樹氏の新刊『破壊――新旧激突時代を生き抜く生存戦略』から、内容の一部を特別公開する。落合陽一氏推薦!

AirbnbやUberから学ぶ<br />マネタイズできるコミュニティの仕組み<br />

時間のネットワーク化とマッチングで儲ける

 AirbnbやUberがすごいのはなぜか? それは使われていない部屋、あるいは使われていないクルマ(ないしクルマの座席)を個々人のレベルでネットワーク化することによって、資源化したからである。

 これらのディスラプター(破壊者)のビジネスモデルは、ソーシャルシェアリングだとか、シェアリングエコノミーなどと呼ばれているが、本質的には個々人の有する時間をネットワーク化した上で、個々人の時間同士をマッチングさせるというものだ。

 そう言ってしまえば身もふたもないように聞こえるかもしれないが、特に彼らの主要マーケットである米国の場合、ネットワーク化された人々というのは、宿泊事業者やタクシードライバーではなく、多くは私たちと同じ一般消費者であり、そういう人々の空き時間=暇をお金に換えるべくネットワーク化し、同じ時間にクルマや宿泊先を必要とする需要側とスピーディにマッチングさせることを可能にしたというのは極めて革命的なことである。

 例えば、あなたが海外に出張に行き、自分でタクシーを手配しなければならなかったとする。もしあなたが英語なりなんなり、現地の言葉に疎かったとすると、まず最初にぶち当たるストレスはこうだろう。

「行き先をきちんと伝えることができるだろうか?」