妊婦の風疹増加中Photo:PIXTA

まさかの「抗体なし」で
パーフェクトな計画が破綻

 彩加さん(仮名・34歳)は段取りの鬼だ。仕事もプライベートもきっちり下調べし、脳内シミュレーションを重ねてスケジュールを練り上げ、サクサクこなす。「慌てなくとも、段取りさえしっかりしていれば、万事スムーズに行くものよ」が口癖である。

 そんな彩加さんだから、妊娠も実に計画的だった。

 キャリアを中断させないため、「あの人の代わりはいない」と評価されるよう実力を磨き、それなりのポジションも得たし、預金もした。周囲への迷惑が最小限で済むように仕事の閑散期に出産するため、基礎体温をつけ、万全の体制で「挑み」、希望通り妊娠した。

 とはいっても、赤ちゃんは授かりもの。まして「高齢出産」といわれる年齢まで避妊を貫いてきた自分が、本当に思った通り妊娠できるかどうかは疑問。(予定通りいかなくても当たり前)と、心の予防線も張っていた。

 しかし彩加さんは妊娠した。