『週刊ダイヤモンド』10月20日号の第1特集は、「大学・学部序列」です。世を驚かせた早稲田大学の入試における数学必須化は、政治経済学部だけに終わらない可能性があり、他の文系学部でも必須化を検討しています。特集記事を特別公開します。
早稲田大学の社会科学部、商学部、教育学部政治経済学部に続く形で数学必須入試の検討を始めた社会科学部、商学部、教育学部(左から) Photo by Ryo Horiuchi

 早稲田大学の政治経済学部が2021年以降の入試で数学を必須化する決断は、数学不要の私大文系入試に慣れ切っていた世間を大いに驚かせることになった。

 もっとも、サプライズはこれで終わらないかもしれない。実は、社会科学部、商学部、教育学部など他の文系学部も数学必須化の是非について検討を進めているのだ。

「文系泣かせ」「私文殺し」……。毎年3月に発行される早大生の総合情報誌「マイルストーンエクスプレス」は、学生から集めた“ぶっちゃけ評価”を基に、全学部の授業を紹介している。ここに、文系学部で行われる数学関係の授業についていけない学生の悲痛な声が寄せられている。

 早稲田の学生は、厳しい受験戦争を勝ち抜いてきた。文系学部の試験は基本的に英語、国語、社会の3教科。特に社会は重箱の隅をようじでつつくような非常にマニアックな問題が盛り込まれ、予備校で早稲田対策をみっちりやってきた者が多い。