「最もクリエイティブな国は日本」
 ――でも日本人は自覚なし?

 クリエイティビティ(創造性)と経済成長。一見あまり関係がなさそうなキーワードだが、実は深いところで絡み合っている一面もあるようだ。

 アドビ システムズは4月24日、日本のほか、米、英、独、仏の5ヵ国で実施した「クリエイティビティ」に関する意識調査の結果を発表した。同調査は、2012年3月30日~4月9日に18歳以上の5000人を対象にオンラインで行われたもの。

 回答者の80%が「経済成長にクリエイティビティが極めて重要」と考え、65%近くが「クリエイティビティが社会に価値をもたらす」と考えているにもかかわらず、職場では「仕事においてクリエイティビティよりも生産性を求められている」と75%が回答。

 自らのクリエイティビティを最大限に発揮できていると感じている人はわずか25%に過ぎないことも明らかになった。

「state of creative study」(アドビ システムズ)より抜粋
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 また、「最もクリエイティブな国」という項目では、「日本」が36%で、2位の米国に10ポイント差を付け総合1位にランクイン。ただし内訳をみると、日本人の回答では1位が米国、米国人の回答では、やはり米国が1位となり、英、独、仏でそれぞれぞれ「日本」が1位を占めるという結果が出た。

 また、「最もクリエイティブな都市」では、東京と答えた人が30%でトップ、2位がニューヨークの21%。内訳では、日本以外の4ヵ国で東京が1位を占めたにもかかわらず、日本ではニューヨークと答えた人が最も多い。

 低成長時代における先進国の共通課題は、「いかに価値ある情報コンテンツを世界に輸出できるか」だともいわれる。

「創造的な仕事をしたい」というポテンシャルの高さがこれら先進国で共通しており、日本はそのなかでも、知ってか知らざるか世界から見て高い評価を得ていることが、調査結果から明らかになった。