ホンダの看板Photo:iStock/gettyimages

ホンダとGMが合意したのは
いわゆる無人タクシー車両の開発

 ホンダは10月、米・GM(ゼネラルモーターズ)と「自動運転技術で提携する」と発表した。GMの自動運転部門のGMクルーズに対し、ホンダが5.7%、金額にして7.5億ドル(約840億円)を出資し、今後12年間で事業資金として合計20億ドル(約2243億円)程度を投資するという。ホンダとGMは燃料電池電気自動車(FCEV)や2次電池の分野ですでに協業を行っているが、これに自動運転分野が加わった。両社の関係強化が注目されている。

 GMクルーズは、英国資本のクルーズオートメーションをGMが2016年3月に買収した会社。当初クルーズオートメーションはアウディ車用に半自動運転システムを開発したが、GM資本になってからはGMのEV(電気自動車)、シボレー・ボルト・ベースの自動運転車開発に切り替え、すでに100台以上のテスト車両を運行させている。

 ホンダとGMが合意したのはライドシェア専用の無人自動運転車、いわゆる無人タクシー車両の開発である。GMは昨年1月に「無人タクシーサービスに参入する」と発表しており、そのパートナーとしてホンダと提携した。また、GMクルーズは、ソフトバンクの投資部門であるソフトバンクビジョンファンドとGM本体から今年5月に34億ドル(約3814億円)を調達し、事業体制を固めた。GMクルーズに対するホンダの出資は当面5.7%と小さいが、「ホンダが増資を行う可能性が高い」と予想されている。