年末進行にクリスマスに忘年会ラッシュ。一年の疲れがドッと出た年末年始、なんか、熱出てきたかも……。

大人にとっては気が緩みがちなこの季節。しかし、受験生にとっては総決算の正念場だ。家庭に受験生のいる親は、この時期に子どもに風邪をうつしたら、一生恨まれることにもなりかねない。

そこで本記事では、現役の内科医、救急救命医、薬剤師などの知見と医療統計データ、150近くの最新の医学研究論文や文献を総動員し、「医学的に正しい風邪対策」を紹介する裴英洙氏の『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?MBA医師が教える本当に正しい予防と対策33』から、受験前の家族の風邪をシャットアウトするための方法を特別公開する。

※構成:今野良介(年5回風邪をひくポンコツだったが、本書を作ってから今年1度も風邪をひいていない担当編集)

風邪・インフルのリスクを
激減させる行動習慣「厳選7つ」

拙著『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』は、「風邪をひかないための予防策」と「できる限り早く風邪を治す方法」について、現代医学で解明されている最大限の医学的知見や科学的知識を、日常的に実践できるレベルの具体策に落とし込んで紹介した、初めての「一般向け風邪対策本」です。

本書では、主に働くビジネスパーソンに向けた風邪対策を紹介しています。

しかし最大のリスクは、同居する家族が風邪をひいたときです。とくに、受験生にとって、親きょうだいの風邪は最大の脅威だと言えます。

私にも家族がいます。「家族が風邪をひいたら、うつっても仕方がない」という気持ちもよくわかりますし、私にもその気持ちはあります。とはいえ、一緒に住んでいれば、「今は絶対に風邪をひけない」というタイミングが訪れます。

子どもの受験は、その最たるものです。子どもを愛すればこそ、あなた自身が感染するリスクをできるだけ減らすことが大切です。

受験生に風邪&インフルをうつして<br />一生恨まれないための「超」風邪対策7つ受験でベストパフォーマンスを出すために。

では、結論を書きます。

受験生もその親御さんも、絶対に風邪をひけない、インフルエンザに感染したくないのならば、この記事を読んだ直後から、次の行動を実践してください。

【風邪・インフルエンザのリスクを激減させる行動習慣】
□ ガムや飲み物で常に「のど」を湿らせておく
□ できるだけ「鼻」で呼吸する
「顔を触るクセ」を意識してやめる
□ 公共トイレの「ハンドドライヤー」は使わない
□ 手洗い後の乾いた手を「アルコール消毒」して完全に乾かす
1日3回以上「うがい」をする
手洗い前に「鼻くそ」をほじらない

上記は、受験生のいる家庭など、今、絶対に風邪・インフルを避けたい抜き差しならない事情がある方に向けた速攻策です。「なぜ、この方法が効果的なのか?」という理由や、医学的根拠が気になる方は、本書でご確認ください。

もし家族が風邪をひいてしまったら……

でも、誰しも、ひきたくなくても風邪をひいてしまうことはあります。万が一、あなたが風邪をひいてしまったら、「非常事態シフト」を敷かねばなりません。

風邪をひいた家族から、ウイルスは絶え間なく排出されています。寝ている部屋にはびっしりウイルスは漂い、布団にもウイルスは付着しています。着替えるパジャマにも、汗を拭いたタオルにも、水分補給したコップにもいるのです。

ウイルスは目に見えないからこそ、「そこにいるかも」という意識で行動をコントロールする姿勢が非常に大切です。

まず、風邪をひいた家族は、できるだけ移動せず、特定の部屋にいることが大切です。食事も、着替えも、決まった部屋で済ませ、できるだけウイルスの飛散を防ぐのです。

もちろん、トイレ等の移動は仕方ないですが、優しいお子さんから「食事くらい一緒でいいよ」などと言われても、勇気を出して断るのが優しさだと思ってください。

そして、風邪をひいた家族が使うものは、できるだけ分離してください。手を拭くタオル、歯磨きのコップ、食事のお皿や箸も共有せず、ティッシュを捨てるゴミ箱を隔離した部屋に常設してもいいでしょう。

そして、風邪をひいた家族と接点を持ったお子さんには、その都度、手洗い・うがい・アルコール消毒を徹底させてください。「手やのどに付着したウイルスを洗い流す」ことを意識するのです。部屋の出入り、会話、物の受け渡し等の接点で、ウイルスは健康な家族にうつる可能性が高まります。

とは言ったものの、正しい手洗い・うがいのやり方は、意外と知っている人が少ないようです。そこで、感染症予防のために、医療従事者の多くが心掛けているうがい・手洗いの方法を紹介します。