国内製薬トップ、武田薬品工業がアイルランドのバイオ医薬大手シャイアーを約6.8兆円で買収し、事実上メガファーマ(巨大製薬会社)になる日が12月5日と決まった。

a買収反対派の「武田薬品の将来を考える会」はホームページなどで理解を求める

 この日に武田薬品で臨時株主総会、シャイアーでも株主総会が開かれる。武田薬品では買収に必要な新株発行に対して3分の2の賛成が、シャイアーでは買収自体に4分の3の賛成が必要だ。

 日本では買収反対派が必死の活動を続けるが、最後の節目も難なく通過する公算が大きい。武田薬品は早ければ2019年1月8日までに買収が完了するとしており、市場関係者の関心は早くも両社の統合がスムーズに進むのかどうかや、統合後の株価に移っている。

 クリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者)は6月の定時株主総会で、臨時株主総会は「19年頭」と説明。しかし、ふたを開ければ開催日は12月5日。広報担当者は「クロージングまでを最短にするため」と説明する。

 買収反対派の株主からすれば「不意打ち」だ。ある創業家筋の株主は、「これが『武田薬品の将来を考える会』への答えなのか」と沈んだ声で話す。

「考える会」とは、前出とは別の創業家筋やOBら約130人でつくる買収反対派グループ。「考える会」はシャイアー買収後ののれん代4兆円超の減損リスクなどを問題視して、11月上旬にウェバー社長CEO宛てに2度目の公開質問状を送ったばかりだった。文面の中で、「十分な時間的余裕をもってご回答頂きたい」と強調していた。