トヨタが販売店チャンネル見直し、国内戦略大転換の勝算「クルマは100年に一度の大変革期を迎えた」と語るトヨタの豊田章男社長 コネクテッドやカーシェアなどの時代に対応するため販売会社4系列をひとつに整理する方法を選んだ Photo:TOYOTA

トヨタの4チャンネル体制
いよいよ一本化の方向

 トヨタが国内販売戦略を大転換する。現在は取り扱い車種ごとにトヨタ、トヨペット、カローラ、ネッツと4種類ある販売チャンネル(系列)を、まず2019年から東京のメーカー直営店を“TOYOTA”に統一する。これを先行モデルとし、消費者ニーズに合った体制へと変えていく方針だ。日本の自動車メーカー各社が採用してきたマルチチャンネル展開のうち最後まで残ったトヨタの4チャンネル体制だが、いよいよ一本化の方向が見えてきた。

 トヨタは2018年4月、「東京に4系列ある販売会社を融合する計画」を発表している。トヨタの100%子会社であり東京トヨタ、東京トヨペット、トヨタ東京カローラ、ネッツトヨタ東京の全株を握る持ち株会社、トヨタ東京販売ホールディングス(TSH)を統合してトヨタ全額出資の新会社とし、その傘下にトヨタ本部とレクサス本部を起き、前述の4つの販売会社をトヨタ本部内のカンパニーとする計画である。TSHが4販社に出資するのではなく、トヨタ自動車本社が統括するかたちになる。

 この再編についてトヨタは「ひと言に東京といっても、さまざまな地域、暮らし方、クルマの使い方がある。日本最大のマーケットであり、20年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、日本で最初に顧客ニーズの変化が生じると想定している」と理由を語った。そして「最新のIT(情報通信)技術をフル活用した新しい店舗づくり、全チャンネルの商品を扱う共同店舗、カーシェアリングサービスの開始、高齢者に喜ばれるモビリティサービス、法人ユーザーへの新しいサービスを提供できる体制を構築する」としている。