このところ、ケータイ料金に関するお問い合わせを、あちこちからいただく。

 わざわざ「あちこち」と銘打ったのは、この問題がケータイに関係するすべての人々にとって、大きな問題となりつつあるからだ。

 たとえば、消費者。それこそ私の両親や家族、あるいは友人・知人からも、「ケータイのことを仕事にしているなら、料金についても詳しいんでしょ?」と尋ねられることが増えている。とはいえ微細に至るところまでは把握できていないので、その旨お返事すると、ガッカリされることしきり。

 通信事業者の方からも、ご相談をいただく。料金プランやマーケティングに関することから、MVNO(※)施策、あるいはそれに係る規制動向や、海外事業者の動向など、関心は様々だ。こちらはある意味で本職の一つなので、あれこれ対応しているが、考えれば考えるほど、迷宮に入るような感覚を味わう。

1台よりも2台が安い?

 とはいえ、関心が高まっているということは、それを知りたいというモチベーションが働いているということである。消費者としては、よく調べればオトクだし、事業者にとってはそこが競争の雌雄を決めるポイントとなっている、ということだ。

 たとえば、データ通信を多く使う人であれば、1台の端末ですべてを済ませようとするより、音声通話用とデータ通信用の2契約した方が安くなる、という不思議な状況も起きている。プランと事業者の組み合わせ次第だが、前者をNTTドコモのFOMA、後者をソフトバンクモバイル(以下SBM)のiPhoneで、それぞれ安いプランを組み合わせると実現する。

 こうした組み合わせによる最適化は、この例に限ったことではない。NTTドコモ、KDDI、SBMのいずれも、顧客獲得に凌ぎを削る現在、組み合わせのパターンはいくらでも存在する。またMVNO事業者はさらにニッチなパッケージを提案している。自分の使い方と現状のプランを見直せば、日々の通信料金をより安く、しかも数十円どころではなく場合によっては月あたり1000円以上も、安くすることが可能となるだろう。

※MVNO…Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信網提供)の略。自らは通信インフラを持たず、他の事業者から借りてサービスを提供すること。