開成・麻布・筑波大駒場・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮された最新刊『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「男の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

「大人との会話」が子どもの「国語の読解力」をアップさせる

日常会話の中で「多様な語彙」を使う

 男の子の親御さんからは、国語の読解力について心配する声がよく聞かれます。

 読解力が欠如している大きな原因は語彙不足にあります。そして、子どもたちの語彙はどんどん減っていると痛感しています。「大みそか」という言葉を知らなかった子どももいるくらいです。

 英単語を知らなければ英語の文章を読むことができないように、日本語の語彙が少なければ長文読解は無理なのです。

 私たちの世代は、祖父母と接する機会も多く、いろいろ古い言葉も耳にして育ちました。棋士の藤井聡太さんは、若いのにとても語彙が豊富で驚かされます。おそらく、自分よりもはるかに年上の人たちと会話を交わす機会が多いからでしょう。

 しかし、核家族化が進み、ゲームばかりしている今の子どもたちは、口数は多かったとしても、使っている言葉がとても限られます。

 そこでお願いしたいのは、もっと子どもといろいろな分野について、多様な言葉を使っておしゃべりしてほしいということです。上から目線になる必要はありませんが、大人の話すいろいろな言葉を子どもに聞かせてください。

 また、日頃見ているテレビ番組や漫画も、ちょっとずつレベルを上げていくといいでしょう。たとえば、『ポケモン』や『妖怪ウォッチ』を読んでいる子なら、『キングダム』にしてみるとか。『仮面ライダージオウ』や『怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』を見ている子なら、『サザエさん』にしてみるとか。すでに『サザエさん』はクリアしていたら、もう少し対象年齢層の高いドラマにしてみるのもいいでしょう。

 こうしたことで「これまで知らなかった言葉」を耳にした子どもは「○○ってなに?」と聞いてくるはずです。そのときに、ぜひ正しい知識を与えてください。もし、自信がなかったら、子どもと一緒に辞書を引いてください。子どもが興味を示したら、「こういう言い方もあるんだって」と関連した言葉についても話してみるといいでしょう。

 もちろん、嫌いなものを無理に与えては逆効果ですので、興味を持ちそうなものの中から、少しでもレベルの高い言葉が使われているものを選んでみてください。