これからの自分のキャリアをどう考え、描いて、行動するのか。
働き方改革関連法案や副業解禁の会社やリモートワーカーの増加等、
会社員の働き方が大きく変わる2019年。
今まさに自身のキャリアを考える最良のタイミングといえるでしょう。

これからの「二者択一」(会社を辞めるか否か等)の「OR」ではなく、
「AND」キャリアで仕事も人生も両方充実させていく時代がきています(第1回参照)。

その基本的な考え方として、「ライスワーク」(食べるための仕事)と
「ライフワーク」(やりたいこと)があります(第2回参照)。

この「ライスワーク」と「ライフワーク」の両方を持つという
新しいキャリアデザインのコンセプトには、もうひとつの切り口があります。
それが「消費」から「生産(創造)」へのシフト(第4回参照)です。

趣味やお稽古ごとや飲み会でも、「消費」しているだけなのか、
それとも「創造」につながる活動をしているのかで、
あなたのライフワークは変わってきます。

さっそく書籍『「キャリア未来地図」の描き方』著者の2人(原尻淳一、千葉智之)による、新しいキャリアの描き方、その基本となる考え方についてお伝えします。(まとめ・編集部)

消費と創造のキャリア論「消費」する人と「創造」する人との間には、小さくて大きな「違い」がある。

消費と創造、その境目はどこにある?

消費者だった人がライフワークで創造を行うとは、どんなことなのか?
意外にも、もうすでにあなたの中にあるかもしれません。

例えば、お稽古で習っていた生け花。
これまでも教室に通い、お師匠について教えてもらっていたとする。
習っていたことを家でもやってみて、玄関を花で飾っていたら来客からすこぶる評判がいい。自然お稽古にも弾みがつけば、いつしか免状を取る日がきます。

ここが1つの分かれ目。免状があれば、自分もお弟子さんをとってもよいわけですが、そこまで踏み切れる人は意外に少ないようです。

教える立場になると、今までのように習いっぱなしというわけにはいきません。知見を吸収するのではなく、提供することになります。自分が教わってきた生け花の本質を理解し、それを教えなければならなくなる。

これは結構怖いこと。教えるとは人を育てることですから。大げさですが、生け花という「美の価値」を提供して、後世に伝えるために人材を育成する役割を負うことになります。
つまり、お弟子さんをとったその時から、あなたはすでに創造する者に立場を変えている。

儲かるかどうか、は関係ありません。
お弟子さんの数が数人であったら確実に足が出る。それでも、生け花に関する知見や技を消費するだけではなくなっているのですから、立派な創造です。