フランス政府は300年近くもマリー・ベリエさんの一族に借金し続けている。  マリーさんと夫のジャンさんは18世紀のある無名弁護士の子孫であることを証明すれば、世界最古の政府債の所有権を主張できる。しかし問題はそれだけの手間をかける価値があるかどうかだ。  当時の通貨リーブルで発行された債券は3世紀分のインフレと通貨の切り替えを経た今、年間で1.2ユーロ(約148円)の利子を生み出すにすぎないからだ。  「1年に1度、バケット1本が買える程度(の利子)だ」。