桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮された最新刊『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

「女の子の父親」が子育てで一番やっておくべきこと

女の子はサインを出すが口では言わない

 男親にとって、女の子は「どうしていいかわからない」存在のようです。女の子は男の子のように単純ではないので、よかれと思って褒めたことも「お世辞?」などと取られてしまうことがままあり、扱いにくいと感じるのでしょう。

 しかし、ツボを押さえてしまえば男の子より伸ばしやすいのが女の子。ただ、そのツボがなかなかわからないから困ります。

 ツボはその子によって違うので、自分の娘にとってなにがツボなのかを理解するためには「よく見る」しかありません。でも、近くに行ってガン見しては嫌がられますから、子どもが負担に思わない距離感を保ちつつ、見るしかありません。

 そうやって見ていると、女の子が出しているサインに気づけるようになります。女の子は自分の気持ちを口では言わないけれど、サインは出しているのです。

 たとえば、私がVAMOSのクラス替えについてさりげなく言及したとき。

 「成績に応じて4月から少しクラスを入れ替えるかもしれない……」

 すると、上のクラスに行ける自信があったり、逆になにかSOSを出したい女の子は、その瞬間に私の顔を見ます。しかし、今はその話に興味がなかったり、クラス換えなどしないほうがいいと考えている女の子は目線を下にそらしてこちらは見ません。

 一方、男の子はほぼ全員が外を見たり手遊びしたりしています。

 だから私はこういうとき、男の子についてはまったく関心を寄せませんが、女の子については一人ひとりの反応を見逃さないようにしています。

 いきなり想像を超えたことをする男の子と違って、女の子は行動に連続性があります。だから、しっかり見ていれば、「今はそっとしておいてほしいんだな」「もっと会話を増やしたほうがいいな」と、女の子が出しているサインが読み取れるようになります。

 女の子を伸ばすには、その子を一定の距離感を保った場からよく見るということに尽きます。