ダボス会議の生みの親が提言!第4次産業革命に必要な政策と教育の大再生

世界の政財界要人が集まるスイスの「ダボス会議」。その主催団体として知られる世界経済フォーラム(WEF)の創設者兼会長、クラウス・シュワブ氏は、国際社会は第2次世界大戦後、平和と繁栄の基盤を整備したが、その後世界は根本的に変わり、教育や政策立案全般において、今や新たなアプローチが必要な時代だと指摘する。

 2018年の「大混乱」を克服するには、グローバルな協力のための新たな枠組みが必要だ。第2次世界大戦後、国際社会は力を合わせて一連の制度的構造を設計し、それらは共通の未来に向けての調整を促した。今再び、それと同じことをやらなければならない。

 しかし今回の課題は、地政学や経済学的なものにとどまらない。今や個人と社会の関わり合いが根本的に変わりつつある。そして、より良い未来を迎えたいのならば、まずこの変化を理解しなければならない。

 第1に認めなければならないのは、私たちが「第4次産業革命(The Fourth Industrial Revolution、4IR)のさなかにあることだ。この革命を通じて、ビジネスや経済、社会、そして政治は根本的に変容しつつある。

 2016年の世界経済フォーラム年次総会(通称「ダボス会議」)で初めてこの考えをまとめてからというもの、私の主張は首尾一貫している。

 既存のプロセスや制度をいじくり回すだけではどうにもならない、それらをつくり直す必要があるのだ、と。その目的というのは、待ち受ける新たな数々の機会をつかみ、今目撃しているような混乱を避けられるようにすることだ。

 状況を座視したり時代遅れなシステムの欠点に応急処置を施してその場しのぎをしていると、変化はそれらのシステムから迂回(うかい)し、勢いを増し、独自のルールを形作っていくだろう。

 この4IRは、すでに経済システムにさまざまな変化をもたらしている。第1に、新しく、デジタルで、結び付き合い、統合されたバーチャルな世界は、「サーキュラーエコノミー(循環経済)」「シェアードエコノミー(共有経済)」と共に、現実世界を凌駕しつつある。