「家計と投資は別物」は密接に関係している写真はイメージです Photo:PIXTA

3歳の子どもの児童手当と
教育費を使って株式投資

 ここ数年、「貯蓄から投資へ」とのキャッチフレーズのもと、さまざまな優遇策が整備されるなど、投資を促す動きが加速しています。実際、老後資金を蓄えるといった目的で資産を増やそうと考えたとき、預貯金だけでは心もとない面もあり、リスクが少ないものに積み立てながら長期投資していくことは賛成です。

 ただ、家計を見る立場からいえば、投資しても大丈夫な家計とそうでない家計があり、現状をしっかりと把握した上で取り組んでほしいと思っています。

 というのも、時折、家計の現状など一切考えず、「今買うべき投資商品は何?」とだけ聞いてくる人がいるからです。投資は、よく言われるように「余剰資金」でやるべきもの。月々の生活費や、将来使う予定のあるお金を投じてはいけないのです。

「お金持ちになりたい」と、投資の始め方について相談にきたMさん(36歳)もそんな1人でした。

 話をしていると、投資に関する知識やリスクなどを聞きにきたわけではなく、どの商品を買うべきかについてのアドバイスを求めていることが分かりました。要は、「手っ取り早く儲ける方法を教えてくれ」ということだったのです。

 実はMさん、この段階で3歳の子どもの児童手当と、教育費として蓄えていたお金を使って、個別株に投資していたほか、「つみたてNISA」で毎月3万円を積立投資していました。